新車購入と同時にカーナビも一新する。これが普通。なにしろ自分の場合だが車を10年以上乗っている(た)ということはカーナビもそれなりに古くて時代遅れになるから。
とはいえ、カーナビは遡ること新車買い換えの3年だか4年程度前にAndroidタイプにしたばかりだったのだ。しかし車を新しくしたらカーナビも最新のものにしたいじゃない?
今回はそのAndroidカーナビXTRONSのTIB110Lについて紹介する。最新じゃないかもだけど。
Androidナビとは
XTRONS カーナビ 2DIN 8コア Android10.0 一体型車載PC 10.1インチ IPS大画面 回転可能なモニター 4GB+64GB カーオーディオ Bluetoothテザリング 4G WIFI ミラーリング GPS マルチウインドウ表示 (TIB110L-地図カードなし) ¥32,500(2020/12/21 13:48時点の価格) 平均評価点: >>楽天市場で探す >>Yahoo!ショッピングで探す
この記事にたどり着いた人はいまさらAndroidナビとはなんて説明する必要がないかもしれないが、知らない大多数の人のために少々おつきあい願いたい。
AndroidナビとはAndroidスマホがほぼそのまま車に装着できる形になり、車のだいたい前後左右で4箇所あるスピーカーに繋げられるように端子が出ていて、ネットも使えるし、なんならSNSやブログ投稿だってやろうと思えばできてしまう夢のようなマシーンだ。
こんな夢のようなマシーンがなぜ日本のメーカーからぞくぞく出てこないのが不思議なようだがちゃんと理由はある。
それはAndroid OSを載せてしまうとGoogleの経済圏の中で動かすという縛りがメーカーにとって都合が悪いためだ。
だってAndroidスマホって安いやつなら1万円程度から売られているでしょ?動きは悪いだろうけど。
カーナビメーカーの出すハイエンドカーナビ機は10万あるいは20万を超えるものもあるが、カーナビに使う程度のAndroid端末だったら数万円のコストで済んでしまうんだ。いやそれどころか数万円の売価で済んでしまうんだ。
それをやってしまうとせっかく新車を買うドライバーやカー用品店へ行って10万〜数十万円程度のナビ価格を平気で買っていたドライバーの麻痺していた金銭感覚が正常に戻ってしまう。
それをなんとしても避けたいために国内メーカーは独自OSなのか知らんがガラパゴスナビを作り続けているんだ。
ただそんな数十万円近くするようなナビを使わずに、ほぼ自分の好きなようにカスタマイズできるナビを使いたいとだんだんユーザーがわかってきたからAmazonやら他のECサイトでもぞくぞくとAndroidナビが出始めているんだ。ただし全て中華製という懸念は残る。
でもディーラーとかカー用品店ではつけてくれないんじゃないの
半分正解ではあるが必ずしもそうとも言い切れない。おそらくカーディーラーでは断られるのではないかと推察する。
しかしカー用品店はわからない。カー用品店は1つのカーメーカーだけでなくいろいろなメーカーのいろいろな部品やら部位やら扱っているからAndroidナビというものにも当然関心はあるはずだ。
自分は半ば趣味だから自分で取り付けるようにしているが自分で取り付けるのは不安があるか、またはまったく無理という人は一度Amazonの画面を見せてこういうAndroidナビを取り付けてもらうことはできるかと聞いてみるとよい。
意外とあっさり引き受けてくれるかもしれない。そこで工賃を払ったとしてもメーカーやディーラーのオプションでナビをつけるよりおよそざっくりだが5〜10万円ぐらい浮くはずだ。
話が決まればAmazonの注文で直送先をそのカー用品店の担当者宛にすればよいだけ。ブツが届いたら連絡をもらうようにすればあとは都合を合わせて車を持ち込むだけだ。端子の加工が多少必要だから直送しておくほうが業者も先行して作業を進めておけるというわけだ。
XTRONSのAndroidナビをN-BOX(JF3)につけて快適運転!
さてでは実際にAndroidナビで今回2台目となったXTRONSの機種TIB110Lの便利機能をかいつまんで紹介していく。
CarPlay(Android Autoも)使える(実際には不要説も根強くあり)
CarPlayとかAndroid Autoって知らない人もいると思うのでまずここから話をするが、カーナビとスマホをつなげるとカーナビがスマホのクライアント端末になって中に入ってリモート操作をするようなイメージだ。
もちろんワークステーションのリモート操作などとは違って決まったことしかできないように制御されているのでわけがわからなくなることはない。
ホーム画面がでてきて「走行中に使っても良さそうな」機能やアプリのアイコンだけがでる。だからなんでもかんでもスマホ内の操作をナビでつかえるようになるわけではない。
でもここで1つの疑問が起こる。
もともとカーナビがAndroidで動くのにAndroid Autoとかってわざわざ別のスマホを繋げる必要なくない?
そうなのだ。実際にはそんなに必要ない機能だ。もともとこのCarPlayとかAndroid Autoというのはケンウッドやらストラーダやら他のガラパゴスカーナビメーカーがスマホの操作も少しだったらさせてあげますよという感じでカーナビの付加価値の1つとしてできた(と思っている)。
だからAndroidが最初から動いているAndroidナビではあえてスマホをつなげる意味はあまりない。ただiPhoneをつなげるとCarPlayが使え、別のOSのアプリ(といってもほとんどAndroidでも同じものがある)が使えるのは多少おもしろい。
特にiPhoneのオリジナルマップアプリはAndroidでは存在しないのでドライブしながらの目的地へのルートでセカンドオピニオンを得られるのは良い。
▼iPhoneをつなげてCarPlayのホーム画面を表示しているところ。
▼Androidナビの場合、こういったUSBアダプターを間に噛ませてスマホと接続し、アプリを1つナビ側にインストールすることで実現する。
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前のAndroidナビのときにセッティングしたCarPlay及びAndroid Autoに関する記事はこちら。
純正ハンドルリモコンで操作できる
これは意外だったが使えてホッとした。外付けリモコンで操作できるナビであるというのは知っていたが、車のハンドルに最初からついているリモコンボタンで操作できるようになるとはまさかの嬉しい誤算だった。
やりかたはナビの後ろに配線が来ているのでそれらとナビの配線を3本か4本つなげるだけだ。
これはこれで面倒だがあとで写真を取り直して別の記事にしたい。
ではハンドルリモコンのボタンとカーナビの機能はちゃんと対応するのか?という疑問があると思うのだがそれはちゃんとどのボタンにどんな機能を割り当てるかというのを決める画面があるから安心してほしい。
メーカーとホーム画面が違う以外ほとんど同様の使い勝手だった1台目のAndroidナビでの接続とボタンの割当について紹介した記事があるのでそちらも参考になるかもしれない。
USB端子が4個もある
これは下手なパソコンより拡張性があるといえる。
なぜこんなにUSB端子があるかというとAmazon販売ページの説明を見てもらうとわかるように接続できるオプション機器がいろいろとあるのだ。使わんけど。
自分はそこまでいろいろオプション機器を接続するつもりはないが、スマホの電源としては十分に使用価値がある。この端子から延長USBケーブルを伸ばして室内に引き込めばもうスマホの充電には困らない。
1個は前のところで述べたCarPlayドングルの接続に使うがこれだってスマホへの充電も同時にできるからまったく価値が高い。
▼せっかくなのでハンドル左下(ETCの下)のスイッチホールにUSBを設置した。ここはネットでUSB電源だけとれる(通信機能のない)オプションが売られているが自分は改造した。
今回のAndroidナビの後ろからケーブルを引き、設置して通信機能も実現させた。
このUSBアウトレット取り付けDIYについての記事はこちら。
▼顔部分だけ使ったので余った電源取り出し用のUSB端子を右側に取り付けようと思案中。
エーモンのオーディオ取り付けキットでつけられる
中華製ナビだから日本の車にはまともにつかないんじゃないの?って不安に思われる人も多くいると思う。
だがそんな心配は一切無用。少なくとも日本で一番売れている(2020年時点)ホンダN-BOX(JF3)ではまったく問題なくついた。もっとも日本で一番売れているからこそ合わせてられるんであってマイナーな車には合わないんじゃないの?って思うかもしれないが 全ての車種でつくかどうかは知らん。
▼エーモンのN-BOX専用取付キットを買えばN-BOX用カプラーが同梱されている。
カーナビやカーオーディオの取り付け寸法に関してはある程度規格が定められていて大抵はちゃんと取り付けられるようにできている。
カーナビ側にビス穴がたくさん空いていてどれか穴がいずれかのメーカーに合うはずですよとなっている。
そしてこのXTRONSのTIB110Lもエーモンというカーオプションのメーカーで車種別(うちの場合ホンダN-BOX)取付キットを用意すればすんなり取り付けできた。よほどマニアックな車種でない限り心配無用だ。
エーモン AODEA(オーディア) オーディオ・ナビゲーション取付キット ホンダ N-BOX用 H-2564
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ディープな設定でメーカーロゴ表示できて純正ぽくもできる
工場設定というちょっとディープな、パソコンでいえばBIOS設定みたいなことができて起動時のロゴをカスタマイズできる。
ちなみに工場設定画面に入るパスワードはこの機種の場合3368。
最初から殆どの自動車メーカーのロゴも含まれているので選べば純正ナビ風にもできる。
ディープな設定というタイトルで以前持っていたカーナビのときに記事にしているのでこのナビと内容はまったくといってよいほど同じなので参照してみてほしい。
あとは、この設定の中にラジオの周波数帯を選べるものがあり、FMの受信周波数をワイドFMにできるような設定があった。だからよりよい音でTBSラジオとか聴けるかもしれない。
YouTubeだって観られる
▼ホーム画面をスワイプしていくとアプリアイコンがいろいろ現れる。YouTubeは最初から入っていた。GooglePlayStoreアプリも最初から入っているので自分の好みのアプリをインストールして使うことが前提だ。
そのほかにはAndroidスマホとほぼ一緒なので自分が利用しているサービスとしてはAmazonプライムビデオだったり、Amazonプライムミュージックだったり、クラウドサービスのDropboxだったり、Yahoo!カーナビなどのアプリを入れた。
ストレージの容量は64GBなのでよほど詰め込まない限り足りなくなることはないと思う。
しょぼいホーム画面もカスタマイズでスマホライクに
初期のホーム画面はメーカーがつくったしょぼい画面でアイコンが1画面に9個しか並ばないものだがGooglePlayStoreのアプリで別のランチャーアプリ(ホームアプリ)をインストールすれば好きなホーム画面にカスタマイズできる。
縦画面にできてしかも対応アプリによっては2画面にもできる
アプリが対応していれば上のように2画面分割表示も可能だ。対応状況は主にGoogle製のアプリ(GoogleMapとかYouTubeとかYouTubeミュージック)ならだいたい対応している。
ヤフーカーナビアプリは対応していなかった。
純正バックカメラとも繋げられる
オーディオレスで買ったN-BOXであったが最初から標準で後ろにバックカメラが取り付けられている。最近の車はバックカメラ映像で後退時の確認がほぼ常識だからカメラだけは最初からついていることが多いようだ。
だがナビの裏つまり接続部分の端子形状は自動車メーカーの独自のカプラーなのでそのままではこのAndroidカーナビに繋げられない。
Androidカーナビは汎用的にできているからRCAという昔ながらのアナログ端子で映像信号を受信するようになっている。
したがって車メーカーごとに対応した変換ケーブルが必要になる。
N-BOX(JF3)の場合はこれ。楽天が安かったのでおすすめ。
ちょっと接続が難しかったので説明を足しておく。
この接続アダプターの線に関しては
- カプラーは自動車側の配線で合うものに嵌める
- 黄色いRCAプラグはカーナビ側の緑色のバックカメラ映像入力に嵌める
- 赤いリード線はACC電源につなげる
- 黒いリード線はボディアースする
あとはカーナビのバック信号線と車のリバース信号線とを結線する。言葉でいうとこれだけだが、この最後のバック信号同士の結線が大変だった。
何しろ車側の線が細すぎてエレクトロタップでカシメできない。どうにもならず線の被覆をカッターで削ぎ落としてようやく接続できた。つなぎ方は正しいのになかなかバック映像が映らずこれは途方に暮れた。
エレクトロタップというのはこういうの。
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自分は上記のエレクトロタップしかなかったからこれ使ってしまったが、もっと細い線用のものを使ったほうが確実に接続できるようだ。
▼こっちのほうが細い線用で確実なはず。
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取り付けに関して
ここでは取り付けについてさらっと触れているだけなのでちゃんとした取り付け方法について知りたいという人は別の記事で起こしてあるのでそちらを参考にしてほしい。
また取り付け中の動画も公開しているのでそちらも参考にしてほしい。
▼こちらがXTRONSについてきたカプラーのひとつでメインとなるもの。先端のギボシという端子は自分で付ける必要がある。
▼そしてエーモンの車種別キットのカプラーとそれぞれ対応する線を接続する。
これで完了すれば楽なのだが、これのほかに先程のバック信号のほか
- USBケーブル(任意)
- ラジオアンテナ(エーモンキットに付属しているカプラーで車とつなげればOK)
- マイナスアース線を車体の金属部にネジ止め
- リモコン操作線
- GPSアンテナ
- Wi-Fiアンテナ
を配線した。
それ以外で外部モニターに出力したければ繋げばよいし、サブウーファーをつなげたければ繋げばよいし、別のカメラから映像を入れたければ繋げば良い。
このように拡張性は国産カーナビと比べても特に遜色は感じない。テレビチューナーは標準ではついていない。
また国内メーカーのカーナビではハイレゾ音源のような微妙な部分に拘っているものもあるし、画質もおそらく国産の方が断然きれいだからそっち方面ではかなわない。
そこまで音質や画質に拘りがあるなら国産メーカーのものを買ったほうがよい。
AndroidナビTIB110Lの難点
これだけ格安でAndroidスマホと同様に使えるカーナビであるが難点がないわけではない。
ハイエンドスマホではないのでそれなりに問題もある。
アプリがときどき落ちる
これは多少ガマンだ。何しろハイエンドスマホと同じ値段ではなくどちらかというと格安スマホに近い価格なのだから。
メモリも4GB搭載されているらしいがAndroid OSでの4GBメモリでは実際には少々厳しい。もっさり感はあるので我慢だ。
アプリによっては挙動が制御しきれない
自分はYouTubeプレミアムを契約しているのだが、プレミアムを契約しているとバックグラウンドでもYouTubeを再生し続けられるがウィンドウが画面の隅で小さくなり再生がつづく(マルチウィンドウ再生許可設定のとき)。
ホーム画面とかほかのアプリ表示に切り替えたときにYouTubeの画面が小さく右下に残るのだ。
これはこれでいいのだがでは逆にYouTubeのウィンドウを大きくしなおしたいときにイマイチまだやり方がわからないせいもあるがまともに戻せない。すぐ小さくなってしまう。
普通のスマホだと隅にあるYouTubeウィンドウをタップすればまたフォアグラウンドに戻って普通に再生できるのに。これはいずれやり方をみつけたら解決するかもしれない。
Androidスマホにはある開発者オプションが有効にならない
一番の難点はこれだ。
Androidの面白さはiPhoneと違ってかなりいろいろな点でカスタマイズ可能なところにある。しかしメーカーで入り口を塞いでいるのかバージョン番号だったかシリアル番号だったかを何回タップしても開発者オプションが有効にならない。
これが有効にできればもっといくつか楽しめるのに残念。
初期のホームアイコンに関して妙な不具合
ある日エンジン始動したらインストールしてあるはずのアプリはもちろん、元から入っているアプリも含めてほとんどのアイコンがホーム画面に表示されなくなっていた。
再起動すれば治るだろう(普段はスリープ状態でエンジン始動とともにすぐ画面がでる)と再起動してみたところ変わらず、メーカーに問い合わせまでしてみた。
メーカーでもどういう現象か動画で送ってほしいという回答なので見たことないんかい?って感じなんだけど。
結局治った方法はディスプレイを横から縦に動かしてみたらアイコン配置も縦仕様に変わるからそのときアイコンをロードし直したみたい。
それで横画面に戻したら元通りに戻った。まあこれくらいの不具合は想定の範囲内と思っておこう。
変更したはずのホーム画面がデフォルトに戻ってしまうことがある
これは使い込んでいくうちになぜか現象の頻度が下がってきたが最初のころは毎回エンジン始動のたびにホーム画面が戻ってしまっていた。
だがなぜかいろいろいじっているうちにほとんど現れなくなった。デジタル機器なのに徐々に現象が再現しなくなるって意味不明だけど改善事例もあるということだ。
おそらくなにかの設定の組み合わせで改善できるのだろうがそれを探求するのが楽しかったりする。
Androidスマホつないでストレージが見られない
これはもっと使い込んでみるともしかしたら実現できるのかもしれないけど、Androidスマホってパソコンとつなげて開発者オプションでUSB接続方法を「充電」のみから「メディア」にすると外部ストレージとして見られる。
それと同じことができるかやってみたらナビからスマホを外部ストレージとして見られなかった。っていうかそれだけじゃなくナビ本体にMicroSD入れてみて(ディスプレイに後ろの本体側に入れるところある)も外部ストレージとして認識しなかったような・・・
これもまだよくよく検証していないからもう少しちゃんといじればできるかも、っていうかSDスロットに入れたMicroSDは認識しなきゃ不良品だ。
・・・・
それ以外には特に今の所難点は見つかっていない。スマホと同じでユーザーの使い方次第で便利にもなれば不便にもなるツールだ。
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